たった今、米国ホワイトハウスで開かれたほんの数分の、オバマ大統領のスピーチをライブで見ておりました。
米国経済、金融関係の方ならば、身近な問題としてお察しでしょうが、
来週明けにも、米国がデフォルトになるかもしれない、ならないために日々がんばっちょる、その経過報告を国民に向けて発表したのでありました。
見ていて、改めて、日本の政治家にはない、「プレゼン能力」「人を惹きつける説得力」を実感しました。
今回のオバマ大統領のスピーチは、全くカンペなしでした。手ぶらで演台に出てきて、手ぶらで帰ってました。その証拠に、一度も顔を下に向けることがありませんでした。
スピーチ自体は、5分もなかったと思うけれど。日本の官僚、閣僚、総理などのスピーチではまずみられませんね・・・私は見たことありません、未だかつて。
そしてもうひとつ、これも、日本の政治家とは大きく異なる決定的な部分だろうな、と思うのですが、
大統領自らが、
「・・・・ですから、私は必ずこの問題を解決する、できる、と自信を持っていますし、米国全体の将来に関わるこの問題解決に向けて、国民一人一人の協力もぜひお願いしたい。メール、電話、Twitterなんでもいいですから、皆さんの声を届けて下さい。ワシントン(=ホワイトハウス)にプレッシャーをどんどんかけてください。」
こんな言葉をスピーチの中で国民に投げかけていました。
この自信に満ちた発言、そして、国民ひとりひとりの声を真摯に受け止めるぞ、という意思表示。
これが、本来あるべき「リーダー」の姿だろうな、と感心しました。
とは言え、オバマさんの支持率は低迷していますし、言ったことできてないじゃん、っていう部分もたくさんあるし、そういう意味では、日本の政治家たちと50歩100歩の部分も多々あります。
私が、感心するのは、それでも、一国の主としての威厳を持って、そしてオバマさんの人柄だと思うけど、国民一人一人と繋がろう、という意思表示。自分と国民をかけ離れた存在として位置付けないこと、そのスタンスが素晴らしいな、と思うわけです。
私は、経済評論家でも金融専門家でもありませんので・・・笑、彼の実績、支持率、業務実績についてとやかく意見するつもりは毛頭ないのですが、むしろコミュニケーションのプロとして、プロの司会者として、プレゼン能力や説得力、という点においては少なくとも、日本のトップリーダー達が見習うべき点がたくさん、ここにエッセンスとしてある、と思ったりしています。
そして、実はさらに、30分後くらいに、再び新しいガソリンの燃費規制についての発表をしたのですが、その冒頭で、これまた、
「いや・・・・今週は、本当に、楽しい1週間を過ごしてきたんだけど、、、、」って一言。
そこで会場は「笑」。
なぜなら、楽しい1週間、というのは皮肉で、この1週間、国債デフォルトの危機回避のために、非常に、今までにないくらい厳しい状況、大変な1週間だったわけなので、それを自虐的ジョークで会場の笑いをとったわけです。笑
こんなユーモアのセンスが許されるのは、「国民性」かな、と思いますが、日本の政界にもこの類のユーモアが通じる雰囲気がもっと創出されれば、もっと国民と政治の世界は近い関係になれそうなんだけどな、とおもったり。
日本の政界で、こんなブラックジョークとか飛ばそうものなら、「何を言っているんだ、そんな冗談言っている間に仕事しろっ」とかクソ真面目に反論する人とか、「総理はふざけすぎだっ」って批判されたり、そういう事言う人がたくさん出てきちゃうのでしょうね・・
だから,政界の人々だけではなく、日本の国民性自体も、もっともっと、なんだろう、「なんくるないさ~」という「抜けの要素」をほんの少しだけでも、日常生活の中に浸透させてもいいんじゃないのかな?なんて私は思ったりします。。
(ってか、その方が、自分が楽ちんに生きられる、って思うだけだけど・・・苦笑)。
オバマ大統領の言葉は、非常にシンプルで明確です。そしてキレイな標準英語を話します。
英語を勉強されてる方にも、おすすめ。聞き取り書き取り練習や、通訳、シャドーイング練習には結構もってこいな題材だと思いますよv
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