現場で吸収できること

色んな異なる現場に行ける、というのがフリーでバイリンガルMCという業務を行う上での私の密かな楽しみでもあります。

そして、現場で吸収できることは、バイリンガルMCという業務に限定された範囲のことだけではなく、実にたくさんの現場の裏側を吸収できる最大の良い習得場でもあるのです。

フリーランスとして動いている以上、現場の裏側を知っている、現場の流れを理解している、その上で与えられたバイリンガルMCの仕事を全うできる、というのは、とても重宝がられます。

与えられたことを与えられたままにこなしているだけでは、大勢の中の一人にすぎません。

与えられた内容を、より良い結果に導くための努力、交渉、変更などは出し惜しみなく、どんな現場でもプロとして必要だと思っていますし、プロであるだけでは、これからの時代もう取り残されていってしまいます。

プロの中のプロであるためには、より一層自分のモチベーションを高めて、

ホリスティックに物事をとらえ、対応できる力が必要です。

そのために、現場の裏側を理解することはとても、実は大切なのです。

イベントを主催するクライアント(主催企業)と実際にイベントを運営統括する運営会社(派遣会社だったりイベント会社だったり)の相関性や、それぞれの持っている持ち場の責任の度合い、運営会社とクライアントとの関係性などを現場から敏感に察知し、そして、自分はバイリンガルMCというプロの立場でそこにきちんと対等に業務を遂行してゆくことが求められます。

今回は、事前に出されていたアナウンス原稿は空欄だらけで前日夜にならないと詳細が決まらない、という状態でした。(去年もそうでした・・・苦笑)。

ですから、当日の朝に最終原稿が手渡されます。

本番1時間前に現地入りした後約10ページ程度の1日分の原稿を、20分くらいの時間でリバイスして、

読み方やスペルミス、肩書のミスがないかどうかなど全てを確認します。

もちろん事前に有る程度のラフな原稿は出来上がっているので、全てが目新しい内容というわけではありませんから、新たに追加された部分を重点的に、そして、相変わらず、アナウンス業務に従事したことがない人が原稿を作っているので、言い回しなど日本語、英語共にマイクを通じてアナウンスしたときに違和感があったり、

同じ事を何回も繰り返す文章になっていたりするので、異なる表現に変えたり、テニオハを変更したり、、、

そうしたことを当日の朝に処理します。

スピード力が多いに問われます。

クライアントから出された原稿なんだから、間違いはないであろう、、という認識は大間違いで、

クライアントと言えど、アナウンスのプロではありません。

ですから、そこは依頼を受けたアナウンスのプロが適宜、聞いている人にとって居心地の良い内容、言い回しに変更を加え、より良い結果に導いてゆく配慮が必要です。

業務の合間には、現場ディレクターの動き、PA(音響)スタッフの動きなどを垣間見ることによって、どのようにイベント全体が運営されているのか、という点をしっかりと把握します。

そうすることによって、現場の空気を読んで対応できる力が身に尽きます。

現場の裏側を知っている、現場の裏側を理解している人間、というのは、本当にあらゆる場所で重宝されます。

バタバタしている現場にとって、そうした空気を読みながら、一緒にイベントを成功に導いてゆける外部スタッフ(私たちバイリンガルMC)と言うのは、本当にスムーズに現場の運営が進むからです。

ですから最終的に、「あの人を起用すると任せておいて安心だし、手間がかからない」ので、来年もお願いしよう、というリピート指名につながるのです。

それだけの配慮を持って現場に臨むことで、報酬的な交渉だって可能になります。

「現場に必要な人材」としてのポジショニングを、自らがきちんと位置付けてゆくこと、それが最終的には自分の評価向上、さらには仕事のオファーへとつながってきます。

現場でもしっかりと見えない部分でセルフプロモーションを怠らない努力は常に必要なのです。

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