アーニー・ガンダーセンさん昼食会

恥ずかしながら、最初、お誘いを受けた時、私はこの方のことを詳しく知りませんでした。

何かのニュースなどでちょこちょこと顔は拝見しておりましたが、自分自身、震災以降、特にストイックに脱原発活動を行っているわけでもありませんでしたので、正直、知識としても深いものは持っておりません。

そんな中でお誘いを受けたわけですが、これも何かのご縁、ということで、ご招待をお受けして、

プライベート昼食会へ参加させていただきました。

事前にざっくりと彼のウェブサイトや書籍を出版していることなども知り、WEBで見れる範囲で動画なども拝見してみましたが、彼の話し口調はとても穏やかで、また、発言に対しても、慎重ながら、そこには事実を淡々と専門家の立場から述べる真摯な態度が見受けられて、とても好感を持ちました。

とは言え、きっと他の参加者の皆さんは、きっと、私の何十倍もアーニーさんのことに詳しく、また、原発の知識についても豊富なんだろうなぁ、ということは予測ができたので、当日現場に行くまで、実は結構ドキドキでした。。笑。

当日は、場所が分からず迷ってしまってギリギリ到着だったら、空いている席が一番遠い席か、ガンダーセンさんの真隣のどっちかだけだったので、隣に座らせてもらったら、(なんとなく直感はしたのですが)、

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案の定、他の参加者で英語を理解できない皆さんのための半通訳者となりました・・苦笑。

一人、学生ボランティアの方が反対側に座って通訳されていたのですが、10人という人数で丸テーブルを囲んでいたので、全員に通訳ボランティアさんの声が聞こえないことも多く、そのときには、私の側に座っている人たちに日本語訳してサポートしていた、という感じです。

他に英語話せる方もいて、近くの席に座っている方に、逐次通訳していたり、という状態だったので、みんなでサポートし合ったランチョン会で、ほのぼのしていました。

とは言え、参加者は、それぞれに、皆、すごい量のメモ持参で質問大量で参加されている方が多く、矢継ぎ早の質問攻めでガンダーセンさんは、ほとんど1時間半、しゃべりっぱなしで、流石に、それを真横で見ていて、むしろ少し心苦しく感じたので、5分、10分でも良いので、少し、ガンダーセンさんにとりあえず食べる時間を与えてみてはどうでしょうか?

と他の参加者と事務局の方に提案してみたり、、してみました。ww こんなところでも、普段のMC業務での配慮や、プランナーとしての全体を見渡す配慮などは、結構役立つものです。

今まで、あまり積極的に情報収集などは行わず、自らの直感に従って原発や自然環境に関して対応してきた部分がほとんどだったけど、こうして、リベラルに事実だけを淡々と専門知識を活用して発信して下さる方との情報共有も、とても有意義であることを実感しましたし、彼の活動を、支援したい、と私も思いました★

本当にとても素敵なGentlemanでした。

ランチが始まるまでのほんの数分の間、隣に座ったとき少し雑談をしていたときに、日本食が大好きなんだ~とか、息子がIT企業でマッピングシステム開発してて、Googleの競合なのさ~とか、そんな原発とは関係ない話を、私はしておりました。。。。笑

さて、そんなガンダーセンさんのプライベート昼食会だったのですが、原発に関して不安をお持ちの方もたくさんいると思います。東京電力や政府の対応にイライラを募らせている方も多いでしょう。

早い時期に南の方や海外に移住してしまった知人もおります。

昼食会で話をしていたことの多くは、夜の講演会でさらに詳しくレクチャーした内容と重複している部分も多いので、この場を借りて、昼食会での内容をざっと、メモしておきます。参考にされてください。昼食会中、私自身、メモを取っていたわけではないので、頭の中に記憶として残っている内容の雑記です。少し曖昧な部分などもあるかもしれませんが、ご了承ください。

興味がある方は、夜の講演会は期間限定で、下記サイトでご覧になれます。ぜひじっくりと拝聴されてみてください。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/29258

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★遠く離れた東京でもセシウム数値が高い地域もあるが、自治体ではその数値は健康に支障がないレベルということで特に対応してくれない、自分たちでできることは何か?

といった質問に対して、

A; 一番重要なのは、実は、外気(屋外)の空気にどの位放射線が含まれているか、ということではなく、外気に触れた靴などから室内に放射線が侵入してくること。そのほとんどは、クツです。特に靴ひもは細かい繊維なので、とても深く浸透してゆきます。幸い日本人には靴を脱ぐ、という有難い習慣があるので、心配な人は、毎日靴を脱ぐときに濡れた雑巾で靴の裏をよく拭くと良い。靴ひもはこまめに交換すること。室内の床(特にハイハイしている乳幼児のいる家庭)や壁などを濡れ雑巾でよく拭くこと。

掃除機は、HEPAフィルター搭載のものがオススメです。安い掃除機は余計にホコリを室内にまき散らしてしまうし、その中にセシウムが含まれていたら、室内にそれらが浸透してしまいます。

日本は、もっと政府、国家レベルでこうした日常の中で予防、改善できることをもっと、発信していかないといけないと思う。

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★安全基準値?

=> 大人500人が仮に20ミリシーベルトの放射能を吸収した場合、1年間で500人に1人がガンになる確率。ただし、性別や年齢によって、その確率は大きく異なる。例えば若い女性は、一般男性よりも10倍放射能を吸収しやすい。

10歳以下の子供は、更にその確率が高まり、20ミリシーベルトの吸収で、1年間で500人に20人がガンを発症する確率を持っている。

だから、まずは女性、子供たちを放射能から遠ざける必要は必須。

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★牛の安全性?

=> 牛はミルクから成分が検出されることは少ない。なぜなら多くの場合、筋肉に吸収されるから。そこをしっかりと調査、検査してゆかないと、本当に安全であると確証を取ることは難しい。仮に、細かい検査をしても、牛などの場合には、完全に100%の含有成分を検証することは非常に大変かつ難しい。

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★日本ではセシウムの検出検査しか行っていないが、米国ではその他の有害物質の検査を積極的に政府が対応している。実は、その他の成分を検査する機械がめちゃくちゃ高価なことが、大きな壁にはなっている。日本政府も東京電力も、そこまで対応しきれていないのが現状。

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★現在、進められているあるプロジェクトは、ある国の大使館とのコラボレーションプロジェクトで、室内の空気を非常に高精度の新技術搭載フィルターによって、汚染物質を取り除き、キレイな空気を創り出すための開発が継続的に進められていて、半年ごとに、それらのフィルターは然るべき施設などに納品され、精度を高めて実用に向けて動いている。日本でも、こうした取り組みをもっと積極的に行って行かないといけないと思う。

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★残念なことだけれども、被災地周辺で生産された食物は100%安全であるとは言い難い。生産者の皆さんを攻撃する意図は全くないけれども、専門家の立場から検証したときに、たどり着く一つの事実。

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★日本政府やTEPCOの対応について

日常レベルで国民の安全管理できるためのサポートやバックアップ支援を何もしていない。TEPCOや政府が原発の現場で作業をしていることには、多くの無駄があるように見受けられる。もう少し、手早く、そしてスマートに対応できる方法はいくらでもある。

例えば、第4号機の炉心(?)600本は現状、取り除くことができるくらいまで冷えている、これをTEPCOは大型機器で一気に取り除くという方法を提案しているが、実は、そんなに大掛かりにやる必要はなく、

少なくとも400本は、少量づつ迅速に取り除ける方法は確立されている。それを適用すれば、第4号機の危機的状況は打開できる可能性があるけれど、その他の選択に耳を傾けられていないこの現状は、非常に残念。

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★現在の福島原発の状況は、今後、どの段階で非常に危険な状況となるのか。

第4号機が(メルトダウン?)(爆発?)(※この部分ちょっと、理解できなかったのです、すみません<(_ _)>。)したら、福島から東京在住の人々は、すぐに避難をする必要があると考えて良いでしょう。

できるだけ南へ避難してください。これが、現状、言える、確実なことです。

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★皆さん、あまりにセシウムや放射能などに過敏になり過ぎているけれども、今の私たちは世界中どこにいっても、100%の無害な場所、というのはありません。仮に、東京、福島から放射能のない安全な地域に移住したとしても、化学薬品による公害や、海洋生物の生態系の崩壊による様々な問題、地震など災害の発生については、誰にも安全な場所を確定することなどできません。ですから、まずは自分たちが今ある環境の中で、できるだけ穏やかに安全に暮らすことができるよう、意識をしてできることに対応してゆく、それが大切だと考えます。

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★私(ガンダーセン)は、原発は悪魔である、といった過激な発言をするつもりは毛頭ありません。専門家として、また原発の開発に関わってきた一人の人間として、自らの専門知識を、事実に基づいて、世の中の人々に発信してゆくことを使命としています。原発の危険性を十分に理解している立場から、確実な事実を皆さんに発信してゆくことが大切だと考えています。

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参加者の多くは、ひじょうに知識が豊富で、また、親として自分たちの子供の将来を心配して参加されている方もいらっしゃいました。

私自身は、確かに、原発を積極的に電力源として適用する時代は、もう終焉しても良いだろう、と思っているひとりですが、おそらく、他の参加者の方に比べると、放射能などに対する危機感は薄いと思います。

それは、投げやりに生きている、とかそういう意味ではなく、

来るか来ないか分からない不安にさいなまれて日々を生きるより、今、存在している毎日の生活を有意義に、そして、心穏やかに、今この瞬間を歓びの中で生きていたい、そんな人生を自分は送りたいと、思っているからです。

最低限の知識と見解を自分の中で、しっかりと自らの軸を築いていれば、不安感にさいなまれることは少ないだろうし、自分ができる活動をできる範囲で、行い、発信し、より多くの人が、安心感の中で生きていけるよう、何かしらのアクションを起こすことはできると考えます。

参加者の中には、半ばパニック状態になっているお母さんがいたり、あるいは、やたらと数値や専門的な知識ばかりを気にして不安感を抱えている方もいました。

もちろんその感情は、持っていて当然だと思いますし、それだけ原発や災害が人々の心に与えた影響は大きいことの証でもあります。何ら非難するべきものではないと思っています。

しかし今、私たちに必要なのは、揺るぎのない強い心、しっかりと大地に足をつけて、次世代の子供たちに素晴らしい環境を継承してゆくためにできることを、小さな一歩でも、確実に行っていくこと、なのではないでしょうか。

アーニーさんの話を聞いて、きっとアーニーさんもそんな想いで、世界各地で情報発信を継続しているのではないだろうか、という気がいたしました。

今の日本の政府体制だけでなく、色々な国のトップ、企業、私たちが知らないところでうごめく利権がらみの問題、表面化しているもの、していないもの、自然界のバランス、生態系の崩壊、

確かに一見しただけで、この地球という惑星は、とてつもない大きな爆弾が、あらゆるところに埋まっているような、大きな問題をあらゆる場所で抱えているように思います。

しかし、それらを、「批判、避難、中傷」することは誰にでもできること。そして、ただ、批判非難して、何もアクションを起こさないのであれば、それはフェアじゃない。

今の政治家はどうなっているんだ、とか、東京電力に対する誹謗中傷とか、色々発信している人も本当に一般人から著名人まで沢山いますが、私自身は、個人的には、批判非難するのであれば、その先、それらの発言を踏まえて、自分は何をしているのか、それらを改善するために、自らができることに対してアクションを起こしているのか、そこまでしっかりと責任を持つことが発言者の義務だと思っています。

だから、単なる批判だけではなく、その先、「アクション」を起こしている人々のことを応援したいと思っているし、彼らこそが、自分たちの代弁者であり、そこに賛同することで、世の中が動いて、変化のきっかけになるであろうとも思っています。

 

批判、不平不満、文句は後。

まずは「応援」そして「感謝」。

 

私自身、震災後、特に肝に銘じて大切にしているフレーズです。

 

今回、改めて、アーニーさんの昼食会、という形で参加させてもらって、時と共に忘れてしまいがちな初心をしっかりと思いださせてもらえたように思います。

とても素晴らしい良い経験になりました。アーニーさんありがとうございます with love ♥

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