バイリンガルである、ということ。
バイリンガルである、ということ。

バイリンガルである、ということ。

バイリンガルMCとして活動していて、また、昨年から養成講座の講師として活動している中で、

バイリンガルであるということ、について私自身、色々と考える機会が増えています。

その中で、クライアントが要求するバイリンガルであるということ、と、

プロダクションが思うバイリンガルである、ということ、と、

バイリンガルMCとして活動している個々が思う、バイリンガルであること、

というそれぞれの立場からのバイリンガル、に対する認識には少し温度差があるのかな~と感じることもあります。

私は、少なくとも「I am fully Bilingul in Japanese and English」と言うのであれば、

それは、具体的に言えば、どんなときでも事前原稿などなくても、どちらの言語においても対応ができる能力を持っている。と考えるべきであると思っています。

私自身、とはいえ、専門的な業界などにバイリンガルとして仕事を請け負うときには、事前原稿がなかったとしても、その業界について、受験生並の(笑)事前学習、事前調査を十分に行います。やはり、専門的な用語については、仮に母国語である日本語だったとしても、意味のわからない言葉はたくさんあります。それは英語においても同じ。ですから、その部分については、事前に理解をするよう最大限できうる努力、下準備をして現場に臨む姿勢が必要ですし、その準備なくしては、十分にバイリンガルとして精度の高いサービスを提供することはできません。

バイリンガルMCを発注する立場のクライアントさんの中には、自分たちにとって都合のよい人材を要求してくるケースが多いですが、実際のところ、彼らの要求に100%フィットする人材はごくまれです。

例えば、法律学会などのレセプションやコンファレンスでのバイリンガルMCを依頼したい場合、
主催者である法律学会は、「バイリンガルで、通訳においては法律関係に熟知している人材」をお願いしたい、と言ってきます。これが、医学界だったら、医学に精通している人材、金融だったら、金融に精通している人材、、とそれぞれの業種に精通している人材、、としてリクエストされます。

通訳者としての人材募集であれば、業種別の人材要求というのはある程度可能です。ところが、通訳者であり、さらに、司会者としての能力や技術も備えている人材、となると、その絶対数は一気に少なくなります。それが現状です。

ですから、クライアントさんたちには、そうした現状を理解頂くとともに、既に精通しているというわけではないが、事前に情報を共有し、その業界についてのブリーフィングを行うことで、十分に現場で対応できる、という提案をしなくてはなりません。

クライアントからこうした人材依頼を引き受けるプロダクション、派遣会社、エージェンシーについても同じことが言えます。

クライアントから、募集人材に対する過度な要望があった場合、それら全てをあらかじめクリアしている人材を必死になって探すわけです。ところが、なかなか針の穴を探すようなもので、ピッタリ当てはまる人材に巡り合うことは少ないのが実情ではないでしょうか。

その場合、ではどうするのか?

最初から、100%フィットする人材を探すよりも、クライアントとバイリンガルMCの間に立って双方が納得する形で、人材を引き合わせるための努力が必要になってきます。

現段階では100%フィットする人材ではないが、事前情報を吸収することによって現場で十分に対応できる能力を持っている人材です、ということを明確にクライアントに対してプロモーションしてゆく。そこで必要とされるのはコミュニケーション能力であり、説得力であり、理解力です。

そして、最終的にクライアントやプロダクションから仕事を請け負う、私たちバイリンガルMCは、いつでも積極的に、情報収集をして現場に対応できるための対応力、柔軟性などを常に意識して業務を行わなくてはなりません。自分の知らない業種だから、、自分には専門的すぎてできない、、と尻込みしている限り、バイリンガルMCとしては、おそらくそんなに数多くの現場を踏むことはできないでしょう。

ある意味、勇気と度胸。これが必要です。

そして、一度引き受けたら、事前準備、事前情報収集、原稿チェックなどきちんと責任を持って対応してゆく責任力が問われます。

私は、バイリンガルMCとして、こうした各立場による認識の差をできるだけ埋めていくための努力も常日ごろから現場で行っていきたいと考えています。

バイリンガルMCは通訳者であり、司会者であり、エンターティナーであり、会の隠れた演出者であると思っています。そのための努力はやはり日々とても大切だと思い、これからも精進していきたいと思っています。

こんな風に言えるのは、私は12年間くらいのバイリンガルMCとしての活動があったからこそのこと。12年前の私はそれこそ、ダメ出し現場の連続で、バイリンガルMCとして本当に何が必要とされているのか、、を日々、現場で学び培ってきた結果、今、こうして言えるだけのこと。

例えば、今現在、これからバイリンガルMCを目指そうと勉強している方々に対して、ここまでの高度な能力、対応力を要求して勉強をしてください、とはアドバイスしませんが、少なくとも、将来的にこうした意識を持って、バイリンガルMCとして活動し、現場で活躍していって頂きたいな、そんな風に思っています。

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